よくある質問

少林寺拳法では強い心身をつくるために修行を行いますが、苦行のような練習は行いません。個人個人の体力に合わせて、階段を上がるように一つずつ順を追って練習していきます。ですから、どなたでも安心して少林寺拳法を修行することができます。
特に調布道院では、「楽しい練習」をモットーにしていますので、和気あいあいとした雰囲気の中で楽しみながら技を習得できます。

少林寺拳法は個人の体力や習得レベルに応じて、楽しみながら修行することができます。また、最小の力で最大の効果が発揮できるように技が構成されているため、力が弱い女性や子ども、シニアの方でも技を習得することが可能です。
但し道院や支部によっては、骨格が発達しきっていない年少者の場合はある程度の年齢になってから習うように勧めているところもあるかもしれませんので、くわしくはお近くの道院、支部にお尋ねになってみてください。

道院や支部によって多少の違いはありますが、調布道院では概ね次のような費用がかかります。

(1) 信徒香資(お布施)
信徒(=拳士)が宗教法人金剛禅総本山少林寺に納めて頂く「お布施」のことです。原則としては自由意志による寄付ですが、金額の目安は幹部拳士にお尋ねください。

【一時的な出費】

(2) スポーツ障害保険などの費用:1000円~1500円/年
年1回の支払いとなりますが、年度区切りのため入門時はその翌年3月までの負担金となります。

(3) 各種催しへの参加費:実費
道場で主催する合宿や忘年会などのほか、都道府県で主催する大会への参加費などがあります。

(4) 稽古着(道着)などの費用:1万円前後
1度購入すれば数年間は使えます。道着のサイズや素材によって金額は多少異なります。道着上下と帯代込みの金額となります。
  *少林寺拳法の道着は、指定された専門店で購入する必要があります。くわしくは道院長にお尋ねください。

少林寺拳法はいつからでも始められます。特別な用具なども必要ありません。まずは運動できる服装でお近くの道院または支部をお気軽にお尋ねください。事前にお問い合わせフォームからご連絡いただければ確実です。もちろん見学だけでも構いません。少林寺拳法はいつでも、誰にでも門戸を開いています。

●調布道院では「体験入門」という形をとっています。まずは数回~数週間、一緒に練習してもらい、少林寺拳法を実際に体験していただきます。その上で、入門して本格的に少林寺拳法を続けるかどうか、お決めいただいております。

少林寺拳法に流派はありません。日本全国はもちろん、全世界で同じ思想のもにと、180万の拳士が同じ技を研鑽練磨しています。ですから「○○流少林寺拳法」や「少林寺拳法△△派」は存在しません。
そもそも「少林寺拳法」の名称は「空手」や「柔道」などのような普通名詞ではなく、固有のものであり、正式に認められた団体以外は、勝手に「少林寺拳法」を名乗れないことになっています。

引っ越しなどで入門先の道院・支部に通えなくなっても、転居先近くの道院・支部に籍を移すことができます。 転籍後もそれまでの修行実績がそのまま引き継がれるため、級や段が変わることもありません。

 少林寺拳法には試合というものがありません。そもそも武術において「試合う」とは生死をかけた戦いを意味します。またたとえ一定のルールを設けて勝ち負けを決めたとしても、本人が「負けた」と思わない限り、本当の勝負は決まらないものなのです。
 しかし何よりも少林寺拳法において試合がないのは、宗門の行として修行すべき少林寺拳法にあって、試合を行うことで勝負にこだわることを避けるためです。勝つことにのみ執着すると、やがては他人を蹴落として己さえ勝てばよいという心が芽生えないとも限らないからです。

●ちなみに、少林寺拳法の練習の一方法として、習得した剛法や柔法を、一定の制限を設けて自由に繰り出し、掛け合う練習法があります。一見試合のように見えるかもしれませんが、これは「乱捕り」(剛法乱・柔法乱)という練習法です。この方法は「運用法」とも呼ばれ、適正な指導者の下で危険のないように練習します。

 少林寺拳法の階級には他の武道と同じように級位や段位があります。少林寺拳法ではこれを「武階」と呼び、拳技の習得度合いを表します。初段から「黒帯」となりますが、決められた科目を決められた時間以上修行する必要があります。早い人ですと1年程度で黒帯になる場合もありますが、2~3年をかけてじっくりと自分のペースで修行をしてもよいでしょう。

●「武階」が拳技の習得度合いを表すのに対し、武階に精神面の成長を加えて、技と心の両方を総合した「拳禅一如」の修養の段階を表す「法階」というものもあります。また宗門の行としての到達度を表す「僧階」というものもあります。

●級位や段位は修行の経過を示す一里塚のようなものですが、やはり白帯が茶帯に、そして黒帯になったときの喜び、誇らしさはなんともいえません。「早く黒帯を締めたい!」という気持ちで一生懸命に練習するのも素晴らしいことだと思います。

 昇級試験、昇段試験は実技(拳技)と学科(筆記)試験からなります。少林寺拳法は格闘術としても非常に優れたものであるので、それを用いる人間の心が磨かれていなければなりません。そのため少林寺拳法の思想や技を用いる心構えを学科として習得する必要があり、昇級・昇段試験の際には実技の他に学科も審査されるのです。

 「少林寺拳法」と「少林拳」は別物です。中国武術において、崇山少林寺から派生した武術の流派を総称して「少林拳」と呼んでいます。一口に少林拳といってもさまざまな流派があり、大別して南派少林拳と北派少林拳の2系統に分けられます。

 少林寺拳法は、開祖宗道臣が中国で学んだ拳技をもとに、自らの理論を加えて1947年に日本で創始したものであり、「少林寺拳法」という名称は固有の名称となっています。所属数(世界)3360所属、世界40カ国(2019年現在)に普及しており、国内ではすでに180万人が少林寺拳法を学んでいます。

●まれに林寺(こばやしでら)拳法や、少林寺法(しょうりんじきょほう)と書かれているのを見かけることがありますが、これは完全に間違いです。

 人間の強さに対する憧れというものは本能に近く、否定しがたいものがあります。ましてや少林寺拳法に興味があって、当サイトを訪れた方ならば尚更のことではないでしょうか。試合というもののない少林寺拳法においても強さを求めることは否定しませんが、「強さ」に対する考え方には独特なものがあります。少林寺拳法では試合がないということもあり、勝ち負けということがそのまま「強い」ということには結びつかないのです。
 空手には空手の良さがあり、またそれ故の強さがあります。同じように少林寺拳法にも空手にはない独特の技、そしてそれ故に独特の強さがあります。修行者がどのような「強さ」を求めるかによって、どちらを強いと感じるかは変わってきます。。

●では、仮に同じ体力や才能を持つ者同士が空手と少林寺拳法を同じ条件で修行したとして、勝負をした場合にどちらが勝つのでしょうか?局所的な見方、たとえばある種類の突きにおいて、またはある種類の蹴りにおいては空手が優れており、別の突きや蹴りでは少林寺拳法が優れているのです。大局的な勝負は時の運です。

 仕事をしていると、それなりに社会的な責任も生じ、十分な練習時間が取れない場合もあります。まったく問題ありません。どうぞ仕事を優先してください。練習時間が少なければ少ないなりに、集中して密度の濃い練習をすれば、それなりの成果が得られるものです。少林寺拳法は生涯修行といわれています。自分のペースでできる範囲で、継続して修行することが大切なのです。

●調布道院は比較的中高年が多いため、仕事の都合で練習に毎回は来られない人や、遅い時間になってからしか練習に参加できない人もいます。それでも道院長をはじめ道場の仲間は温かく迎え、たとえわずか5分でも10分でも練習へと誘ってくれます。このような仲間同士のつながりを見つけるために少林寺の門を叩く人も多いのです。

 少林寺拳法の、特に「柔法」と呼ばれる技術では手首などを極める技術が多用されています。適切な指導者の下で練習する限りは危険はないのですが、普段とは違う動きをするため、最初のうちは練習後、指の動きに違和感を覚えることがあるかもしれません。練習の前に指導者に事情を説明して、指などに負担のかからない方法で練習してもよいでしょう。

「少林寺=お坊さん」というイメージから、このように考える人がいるかもしれません。
しかし「、決してそのようなことはありません。調布道院の拳士も、思い思いの髪型で練習に励んでいます。ただ、道を求める者の心構えとしては、髪型のみならず服装なども、見苦しくなく清潔な格好を心がけたいものです。

●少林寺拳法の技のひとつに「前髪捕り」というものがあります。あまり髪の毛が長いと、いざというときに髪の毛をつかまれて窮地に陥ることもあるのです。(もっともこの「前髪捕り」は、不覚にも自分の前髪をつかまれてしまった場合に、相手を制する技なのですが……)

 あれは「法衣(ほうい・ほうぎ)」といい、お坊さんの衣と似たような作りになっています。道衣の上に着るのですが、袖の先が結べるようになっていて、ちょうど「袖まくり」をしたような状態にすることができます。帯は細長い袋状の太い紐で、中に綿などの詰め物をしてあり、背中側で交差させて折り返して結びます。通常は白い道衣を着て練習することが多く、法衣で練習をすることはほとんどありません。

●この法衣は奉納演武など式典の際に着用されることが多いのですが、まさしく「宗門の行」を具現化しているようで、なかなか格好の良いものです。

 少林寺拳法の練習は組手主体による人間尊重の精神を養いつつ、互いに技を掛け合うことで上達を図る相対演武を中心としています。このようにして習得した一つ一つの技を、様々に変化する相手の攻撃を想定しながら自由に組み合わせたものを組演武といいます。
 組演武は、踊りや芝居の殺陣と違って見せることを目的としたものではないので、各自が習得した個々の技の正確さはもちろん、技と技のつながりや変化に重点を置き、質実剛健に行うように留意する必要があります。

●開祖は演武を音楽に例えてこう言われました。「いままでやったことをどういうふうに組み合わせて、どういういい音が出せるか、どういうふうな感動を呼ぶような音曲が作れるかということが、演武のひとつの取り柄なのだ」

 少林寺拳法では道場のことを「道院」と呼んでいます。少林寺拳法を主行とする金剛禅総本山少林寺では、我が国在来の寺院という観念から離れて、専ら修行をする場所という仏教本来の意味を踏襲しているためです。

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